三重県教委は10日、教職員の障害者雇用率に誤りがあり、実態より多い人数を障害者として計上していたと発表した。障害者手帳の有無を確認せず、教職員の自己申告だけで計上したことが主な原因。中央省庁などで障害者雇用率の水増しが発覚した際は「誤りはない」と報告していた。29、30年度分を調査した結果、いずれも法定雇用率を下回った。県教委は監督責任として、県教委事務局の幹部職員ら6人を厳重注意処分とした。
県教委はこれまで、県内の教職員に占める障害者は6月1日時点で208人と公表していたが、実際は35人少ない173人だった。これに伴い、2・5%と公表していた障害者雇用率は2・14%となり、法定雇用率(2・4%)を下回った。
昨年6月1日時点の障害者数も、当初は201人と公表していたが、実際は44人少ない157人。障害者雇用率も2・41%から1・97%となり、当時の法定雇用率(2・2%)を下回った。同様のミスは少なくとも平成20年6月分から続いていたという。
障害者手帳を持っていない教職員が、毎年の調査に「障害がある」と回答していたことが主な原因。県教委は厚生労働省のガイドラインに定められた確認をしていなかった。既に障害者手帳を返納した人や退職した障害者の一部を計上したこともあったという。
県教委は8月中旬、県に「算定に誤りはない」と報告していたが、同31日に国の通知を受けて再調査したところ、誤りが発覚。鈴木英敬知事が同22日の定例記者会見で、県教委などの算定について「そういう事案は発生していない」と発言していた。
県教委は「来年6月の調査で法定雇用率を達成したい」とし、県教委や県、労働局などで構成する「法定雇用率達成対策チーム(仮称)」を今月中に設置して対策を進める。県教委が法定雇用率を達成するには、新たに27人の障害者を雇用する必要がある。
廣田恵子県教育長は10日、県庁で記者会見し「県民の信頼を大きく裏切る行為。重く受け止め、深くお詫びする」と陳謝。「プライバシーの問題もあり、手帳の有無を確認するのが難しかった。意図的に水増しをしていたわけではない」と説明した。
一方、県教委が調査したのは過去2年分だけで、28年以前の雇用率は調査しない方針。廣田教育長は会見で、さかのぼって調査しない理由について「前向きな姿勢で臨みたい。障害者雇用をどのように進められるかということを考えたい」と述べた。
■解説■ 調査は過去2年分だけ 「意図的」否定も虚偽公表
「誤りはない」と報告していた県教委の障害者雇用率に、実は多くの誤りがあった。県教委は意図的な水増しを否定したが、虚偽の公表を続けたことを踏まえれば「水増し」との批判も避けられない。
県教委は少なくとも平成20年から算定に問題があったとみているが、実際に調査したのは過去2年分。さかのぼって調査しない理由を「前向きな姿勢で臨みたい」と説明するが、意味が分からない。
県教委は「意図的な水増しはない」と断言できる根拠を記者会見で示さず、廣田教育長が「そう信じたい」と願望を語る一幕も。性善説でしか捉えていないようだ。
一方、県教委は原因究明を放置しつつも法定雇用率の達成に躍起。しかし、算定誤りが発覚した以上は新たに発表される雇用率も信頼できない。その間に信頼が取り戻せるとでも考えているのか。
障害者雇用率を巡る県教委の対応は、越境入学問題のときと似ている。県教委は当時も「将来のあるべき姿を考える」などとして具体的な原因を公表せず、問題に関わった教職員らへの処分もなかった。
県教委は問題から目を背けていると言わざるを得ない。意図的な水増しはなかったのか、水増しを生む組織の体質はなかったのか。原因の究明を怠れば、また新たな問題が起こりかねない。
http://www.isenp.co.jp/2018/09/11/22622/
三重県教委が障害者雇用率の算定を誤ったことを受け、鈴木英敬知事は10日、以下のコメントを発表した。
県民の信頼を大きく裏切り、深くおわび申し上げる。組織の長として責任を痛感している。一度は「適正」と報告したが、その後に誤りが発覚したことは障害のある方々への背信行為と言っても過言ではない。極めて同質性の高い組織で、組織の常識と社会の常識が、いつの間にかかけ離れてしまったのでは、組織に緩みがあったのではと感じざるを得ない。皆さまに謝罪を重ねつつ、覚悟を持って事態の改善に取り組む。
http://www.isenp.co.jp/2018/09/11/22620/
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