十八日の本会議で採決されるが、成立は難しい情勢だ。
市民まちづくり基本条例案の討論で、海住恒幸氏(無会派)が「より多彩な人々の参加をまちづくり施策に活用できるという点で大きなメリットがある」と賛成理由を説明。
一方、植松泰之氏(真政クラブ)は「市民の定義に住民以外も含まれる。住民投票権を外国人にも付与している」。
野口正氏(青凜会)は「定住外国人は今でも行政サービスを受けているが、それ以上を望むなら日本国籍を取っていただくのが筋」と反対した。
海住氏は継続審査を求めたが認められなかった。採決結果は賛成二、反対四。住民投票条例案も同様の理由で賛成二、反対四で否決された。委員会終了後、山中光茂市長は「市民まちづくり基本条例案の理念は松阪市の象徴。反対するにはそれ相応の理由がないと市民も納得できないのではないか」とけん制した。
両条例案は昨年二月の市議会定例会で否決された。市内四十三地区でまちづくりを担っている住民協議会からは、市長が交代しても活動の継続が担保されるよう協議会の裏付けとなる条例の制定を求める声が根強くある。
市議会は昨年十二月、住民協議会に特化した条例制定を求める決議をしたが市側は特化した条例案は困難として市民まちづくり基本条例案という形で再提案した。
(戸川祐馬)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20131016/CK2013101602000012.html
【三重】 "松坂市が外国人に乗っ取られる" 松阪市まちづくり基本条例案の「外国人に住民投票権」に反対が殺到、暗礁に
三重県松阪市が「市の憲法」として制定を目指す「市まちづくり基本条例案」で、市民の定義を外国人や市外在住者まで広げ、外国人に住民投票の投票権を認めたところ、市民から寄せられた160件の意見のうち反対が大半を占めた。市は12月議会への提案を断念。
定義を再検討し、12年3月議会へ提案したい考えだ。定義を広げ過ぎたのか、寄せられた意見が過敏なのか、専門家の意見も分かれ、「市民とは何か」を巡り議論は熱を帯びそうだ。【駒木智一】
市コミュニティ推進課によると、基本条例は「市の自治の基本を定めた」(3条)もので、「市民」の権利と役割を「まちづくりに関して、自らの意見を表明し、これに参加する権利を有する」(5条)と明記。市は「意見を幅広く反映させたい」として、市民の定義を市民と「市内で活動する個人または団体」(2条)とだけ規定し、国籍条項は設けていない。
住民投票権を持つのは「市に住所を有する者」(8条)で、外国人住民にも投票権を付与した。
しかし、市が10月4日からパブリックコメント(意見公募)を集めた結果、「市が外国人に乗っ取られる」「責任を負わない市外の人間に権利を与えるのはおかしい」などの反対意見が殺到。締め切った同24日までに総数は普段の10倍の160件に上った。
NPO法人公共政策研究所によると、川崎市や三重県名張市なども同様の条例で外国人に住民投票権を付与。05年に制定した名張市は「特段の反対はなかった」という。
四日市大の小林慶太郎准教授(行政学)は「まちづくりに声を取り入れる範囲で外国人を市民と定義することに問題はない」とするが、住民投票権については「国政と地方自治は密接に絡む。国政に影響を与える可能性がある以上、投票権の付与は慎重にすべきだ」と指摘する。
一方、名城大の近藤敦教授(憲法学)は「地方自治は住民のためのもので、地方自治から外国人を排除するのは差別につながりかねない」と主張する。
市は、公募で作った研究会や有識者の議論を経て市民の定義を決めた経緯があり、変更にも慎重意見がある。
市によると、11月現在の市の人口は約17万人で、外国人はブラジル人やフィリピン人を中心に約3700人。
◇パブリックコメント
国民の意見を広く政策に反映させるための行政手続きで99年に閣議決定、05年の改正行政手続法で明文化された。
行政機関が政令、省令などの命令を定めたり、大規模な公共事業を予定している場合に行う。行政機関は事前に案を示し、提出された意見は「十分に考慮しなければならない」と規定されている。
毎日新聞 2011年11月26日 15時00分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111126k0000e010065000c.html
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