2018年12月1日土曜日

シャープ亀山工場で2500人の日系ブラジル人がゴミのように使い捨て

好景気で人手不足のはずの県内で三十日、大規模な雇い止めが発覚した。県が雇用を生むため九十億円もの補助金を投じてきたシャープ亀山工場で、立場の弱い多くの外国人労働者が職を追われていた。県は三月に事態を把握していたが、担当者は「個別の労働者に対応するのは県の役割ではない」と静観を続けた。

 県には三重労働局から三月末に「シャープで五百人の雇い止めがあり、ほとんどが外国人」と通報があり、七月にも同様に「二百五十人の雇い止めがあった」と通報があった。シャープに事情を聴いたところ「一部商品で受注が減少したため、相当数を雇用契約満了時に更新しない方針となった」と説明を受けた。

 亀山工場は不振期もあったが、県は最近の業績を「中小型液晶を好調でフル稼働の状態」と説明してきた。県は労働局の通報を受けシャープから事情を聴いた際に「解雇された人に丁寧に説明し、再就職支援を」と要請したが、その後にシャープや派遣会社がどう対応したか確認していない。

 県担当者は「外国人だから対応をとらなかったわけではない」と強調。シャープを誘致するための補助金九十億円の分割払いは本年度まで続いており、「大規模な雇い止めは望ましくない。今後は労働局と連係し状況確認する」と説明した。

 (森耕一)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20181201/CK2018120102000292.html

重県亀山市にあるシャープ亀山工場で、ことしに入り、派遣された外国人労働者
約2900人が次々に雇い止めされていたことが労働組合への取材で分かりました。
労働組合の「ユニオンみえ」は、職業安定法などに違反しているとして
外国人を雇用していた複数の派遣会社について三重労働局に告発状を提出しました。

告発状などによりますと、シャープ亀山工場では台湾のホンハイ精密工業の傘下となり、
アップル社のアイフォーンの部品製造の受注増加を受けて従業員を大幅に増やすこととなり、
去年までに3000人の外国人労働者を三重県鈴鹿市などにある3次下請けの
あわせて10の派遣会社を通じて調達していました。

ところが、業務の海外移転により、仕事を減らす必要が生じたため、
労働時間や時給を切り下げるなどしたほか、雇い止めの通告を行って、
「ユニオンみえ」によりますとこれまでに約2900人が雇い止めされ、
現在は100人ほどしか働いていないということです。

ことし6月ごろから雇い止めを受けた外国人からの相談が「ユニオンみえ」に相次いだことから発覚し、
これまでに100件を超える相談が寄せられ、現在、外国人35人ほどが組合に加入しているということです。

「ユニオンみえ」や支援する弁護士らは、職業安定法などに違反しているとして
外国人を派遣していた鈴鹿市や亀山市などの10の派遣会社などについて
11月22日、三重労働局に告発状を提出したということです。

この件についてシャープ亀山工場の担当者は
「雇い止めという話はわれわれは把握していないし、従業員の数を
どれくらい派遣して下さいということも全くしていない」と話しています。
また、三重労働局では
「確かに告発状を受け取った。今後は、当事者に話を聞き、事実確認をするなど、
対応を検討することになる」と話しています。

シャープ亀山工場の外国人労働者の大量の雇い止めについて、三重県の鈴木知事は30日の会見で、
「ことしに入って雇い止めを段階的に行ったことをシャープ側から確認している」
と明らかにしました。
その上で、
「シャープを通じて、下請けの事業者に対し、契約更新できない方に対しては
丁寧な説明をするようにということと、新しい就職がきちんとできるような
フォローアップなどをしっかりやってほしいとシャープを通じて要請した。
今後どうなっていくのか、しっかり注視していきたい」
と述べました。


http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20181130/3070000698.html