安倍晋三政権が取ったとされる措置が、韓国国内で波紋を広げている。働きながら一定期間滞在する外国人を受け入れるワーキングホリデーについて、今年から26歳以上の韓国人女性にビザ発給を認めていないというのだ。韓国メディアは「日本政府による、韓国人売春婦の締め出しではないか」と分析している。
日韓間のワーキングホリデー制度は1999年に始まった。審査合格者には、1年間有効のビザが発給される。原則として18~25歳が対象だが、韓国とアイルランド以外は30歳までを対象としており、韓国人にも例外的に満30歳まで発給を認めてきた。
ところが、今年に入って26歳以上の韓国人女性には、ビザ発給が認められなくなったという。
日本外務省は「日韓間のワーキングホリデーに基づくビザ発給は、もともと25歳以下にしか認めておらず、運用もルールも変わっていない」と淡々と説明するが、韓国側の受け止め方は違う。
韓国・聯合ニュースは15日付で《ここ数年、制度を悪用して日本で売春していた韓国人女性が、相次ぎ強制送還されたことが影響したとの見方が出ている》と指摘し、日本側の変化を次のように報じた。
《今年4~6月期のワーキングホリデービザの審査合格者は723人で、前年同期(1461人)の半分以下。1~3月期も880人で、前年同期(1652人)の約半分に落ち込んでいる。2、3年前までは90%台だった合格率も70%台にまで下がった。最大の要因は、26歳以上の女性の審査合格率がほぼ0%。男性は30歳までビザ発給が認められている》
「売春婦締め出し」の可能性はあるのか。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「青少年交流や留学などといった本来の目的から外れ、悪用されてきた」といい、ワーキングホリデー制度が“売春婦輸出”の隠れみのとなってきたと指摘した。
日本国内にいる韓国人売春婦の人数について、確かなデータは存在しない。ただ、2010年10月、韓国・女性家庭省に対する国会国政監査で、金玉伊(キム・オクイ)議員が「海外に約10万人の韓国人売春婦がいる」「このうち、日本では最多の約5万人が働いている」と語っている。
韓国では04年に売買春を取り締まる「性売買防止特別法」が施行されて以降、「性産業輸出大国」(韓国紙・朝鮮日報)として“君臨”している。昨年8月には、釜山警察庁が日本やオーストラリアなど海外で売春した容疑で女性47人を一斉摘発した。
室谷氏は「今まではワーキングホリデー制度を見直そうとしても、自民党の韓国好きのベテラン議員が『青少年の交流のためだ』などといって邪魔をしてきた。ようやく手を打った」と、安倍政権を評価する。
朴槿恵(パク・クネ)大統領の「反日外交」で、日韓関係は冷え込んだままだ。こうしたなかで、長らくアンタッチャブルだった制度見直しに着手できたとすれば、不幸中の幸いと言うべきかもしれない。
http://www.peeep.us/e7d8b0c4
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