小山田、小林の排除はコロナ・パンデミックでの東京五輪、アスリートは応援するが電通丸投げインチキ五輪への世論がNOを突き付けた。
東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開閉会式の演出チームをめぐっては、トラブルが続いてきた。
2018年7月、開閉会式演出の総合統括に就任が決まったのは狂言師の野村萬斎氏だった。「機知に富んだ式典にするため尽力していく」と意欲を口にしていたが、新型コロナウイルスの影響で大会の1年延期が決定。野村氏や歌手の椎名林檎氏ら7人のチームは昨年12月に解散した。
大会組織委員会は「コロナ禍に伴う式典の簡素化を短期間で進めるため権限を一本化する」と解散理由を説明した。関係者によると、チーム内の意思疎通がうまくいかないこともあったという。
後任には、チームの一員で電通出身のクリエーティブディレクター、佐々木宏氏が就いた。しかし、開会式に出演予定だったタレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するようなメッセージを演出チーム内のLINEに送っていたことが、週刊誌報道で発覚。佐々木氏はその事実を認め、今年3月に辞任した。その直後、五輪開会式の演出の実質的な責任者だった振付師・演出家のMIKIKO氏が、自身に連絡がないまま、新たな責任者が任命されていたとして辞任していたことを明らかにした。
さらに今月19日には、開会式で楽曲の作曲担当だったミュージシャンの小山田圭吾氏が、過去に同級生や障害者をいじめた経験を雑誌で語っていたことを受けて辞任した。組織委は当初、続投させる意向だったが、障害者団体などからの批判がやまず、辞意を受け入れた。
組織委の武藤敏郎事務総長によると、佐々木氏の辞任後、残ったメンバーが仲間を誘って20人ほどのチームができた。関係者によると、今回解任された小林賢太郎氏が中心になって人選を進め、その中に小山田氏が入っていたという。組織委は結成後に報告を受け、そのまま任命したという。武藤事務総長は20日の記者会見で、「最終的な任命責任は我々にある。全体の名簿を受け取ったとき、全部調査すべきだった」と述べた。(津田六平)
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